comb de shioには、オレンジ色の扉があります。

この扉の色は、途中で白にしたこともありました。
でも、今はまたオレンジ色です。

シルバーチョーカーを入れる箱も、最初の頃からオレンジ色。

普段、洋服やアクセサリーでは水色系を選ぶことが多いのに、なぜかオレンジ色も昔から好きです。

明るくて、ちょっと元気が出る。
私にとってオレンジ色は、少し特別な色なのかもしれません。

振り返ってみると、私はずっとこの扉から始めてきたような気がします。

 

 

 

四日市の近鉄百貨店に出店していた頃、自分で小さな新聞を作っていました。

A4の紙を折りたたみ、最初に見えるのはオレンジ色の扉。

それを開くように広げていくと、アクセサリーがあったり、私の思うことを書いたり、お客様からいただいた言葉を載せたり。

あの新聞を作ったのも、2001年の「ふるさとジャーナル」との出会いや、マザーグースをやっていた頃の経験につながっていたのだと思います。

そして本を作ったときも、最初に選んだ写真はこの扉でした。

今になって思うと、いろいろなことが、やっぱりどこかでつながっているんですね。

そして今回、アトリエショップの展示を整えながら、またこの扉のことを思い出しました。

8月のお休みの間に、店内に並べていたものをずいぶん減らしました。

これまでは、せっかく来ていただくのだから、できるだけたくさん見ていただきたいと思っていました。

でも、ひとつ減らし、またひとつ減らして、作品と作品の間に余白ができてくると、店の空気が少しずつ変わってきました。

ガラスの時計、壁面作品、立体作品、そしてアクセサリー。

作品のまわりに余白ができると、店の中にもゆったりとした空気が生まれました。

そして店の中を眺めていて、ふと思いました。

 

 

「ああ、私はこんなふうにしたかったんだ」

デパートに出展していた頃も、本当は商品をたくさん並べるだけではなく、comb de shioらしい空間を作りたいと思っていました。

けれど、自分のお店ではない場所では、なかなか思うようにはできません。

自分のアトリエショップができてからも、その頃の延長で、いつの間にかたくさんのものを並べることが当たり前になっていました。

でも、もう全部を並べなくてもいい。

今はそんなふうに思っています。

 

 

アクセサリーも、店頭に並んでいるものがすべてではありません。

「この洋服に合わせたい」
「もう少し違う色はありますか?」
「前に買ったシルバーチョーカーに、新しいガラスを合わせたい」

そんなお話を伺いながら、ストックの中からガラスを出して、一緒に探すこともできます。

これまでも、そうして選んでくださったお客様がたくさんいらっしゃいました。

長くお客様と接してきたからでしょうか。

お話をしているうちに、
「この方には、こんな色も似合いそう」
と思うことがあります。

私が決めるのではなく、いろいろ試していただきながら、その方が最後に「これがいい」と思うものを見つけていただく。

そんな時間も、この小さなアトリエだからできることなのかもしれません。

そして、大きなテーブルもすっきりさせました。

作品を見たあと、ここでお茶を飲んだり、おしゃべりしたり。

 

 

何かを買うためだけではなく、

「ちょっと見てみたい」
「ちょっと話してみたい」

そんな気持ちでも来ていただける場所になったらいいなと思っています。

9月から、予約制でアトリエショップをまた開けます。

オレンジ色の扉を開けて——

どうぞ、comb de shioの世界へ。