もう9月、ふと気がつくと、秋虫が鳴いている。
秋虫の鳴き声を聞くと、私は、毎年、父のことを思い出す。
父は、鈴虫を何十年と孵化させて飼っていた。
A4くらいの大きさのガラスの水槽に小さな木を植え、岩をあしらって、鈴虫の庭を作っていた。
その水槽も素敵だったし、小さな庭も素敵だった。
子ども心にそう思った。
キュウリやナスや梨の皮を小枝に螺旋にかけて、毎日世話をしていた。
私が中学生頃まで飼っていたと思う。
夏から秋には、毎晩、鈴虫が羽を広げて奏でる音を聞きながら過ごしていた。
夏休みの宿題をしている時も眠る時も、、、。
この夏、お盆に兄たちが「父の鈴虫」の話をし出した。
私は、兄たちも「父の鈴虫」のことを覚えていたんだと、、、ちょっと嬉しくなった。
「飼うのをいつ辞めてしまったのかなぁ?急に辞めたなぁ。どうして辞めたのかなぁ?」と上の兄。
「まぁ、別に理由なんかなかったやろ」と下の兄が言った。
私は、兄たちの読みは、甘いと思った。笑
そりゃ、、、色々あるさ、、、。
今夜、YouTubeから流れるジャズをコム子さんと聴きながら一句。笑
「ジャズピアノ 秋虫の音と 相まって 私の夜の ミニコンサート」

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ガラスアーティスト。comb de shio主宰。
数々の賞を受賞後、1999年にグラススタジオ「comb de shio」を設立。独自の手法で彩色・焼成を繰り返し作り上げるモダンで新しい感覚のガラス作品は、壁面を飾るアート作品から、アクセサリーへと広がり、現在は様々なデパートやギャラリーを通して、感性豊かな女性達に支持されている。
本人曰く「面倒臭がり屋のおしゃれさん」。ガラスの美しさに留まらず、簡単に、楽に着けられるアクセサリーへの配慮やアイデアも、Isakoの作り出すアクセサリーの人気の理由のひとつ。
現在は、三重県津市のアトリエで、日々制作中。作品のこと、制作の事、おしゃれのことを気ままに綴ります。