もう9月、ふと気がつくと、秋虫が鳴いている。

 

秋虫の鳴き声を聞くと、私は、毎年、父のことを思い出す。

 

父は、鈴虫を何十年と孵化させて飼っていた。

A4くらいの大きさのガラスの水槽に小さな木を植え、岩をあしらって、鈴虫の庭を作っていた。

 

その水槽も素敵だったし、小さな庭も素敵だった。

子ども心にそう思った。

 

キュウリやナスや梨の皮を小枝に螺旋にかけて、毎日世話をしていた。

私が中学生頃まで飼っていたと思う。

 

夏から秋には、毎晩、鈴虫が羽を広げて奏でる音を聞きながら過ごしていた。

夏休みの宿題をしている時も眠る時も、、、。

 

この夏、お盆に兄たちが「父の鈴虫」の話をし出した。

私は、兄たちも「父の鈴虫」のことを覚えていたんだと、、、ちょっと嬉しくなった。

「飼うのをいつ辞めてしまったのかなぁ?急に辞めたなぁ。どうして辞めたのかなぁ?」と上の兄。

「まぁ、別に理由なんかなかったやろ」と下の兄が言った。

 

私は、兄たちの読みは、甘いと思った。笑

そりゃ、、、色々あるさ、、、。

 

今夜、YouTubeから流れるジャズをコム子さんと聴きながら一句。笑

「ジャズピアノ 秋虫の音と 相まって 私の夜の ミニコンサート」

 

 

 

50代、60代 貴女は自分の感性を信じていますか?